特集 腹部の最新画像情報2016
症例
USおよびMRI所見にて診断し得た精巣区域性梗塞の1例
加茂 実武
1
,
村石 懐
,
赤池 源介
,
村石 修
,
服部 一紀
,
松尾 義朋
,
栗原 泰之
1聖路加国際病院 放射線科
キーワード:
陰嚢
,
MRI
,
超音波診断
,
カラーDoppler超音波診断
,
静脈血栓症
,
待機療法
,
精巣梗塞
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Scrotum
,
Ultrasonography
,
Ultrasonography, Doppler, Color
,
Venous Thrombosis
,
Watchful Waiting
pp.805-810
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319477
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40歳代白人男性。左陰嚢痛を主訴とした。発症2日後に近医を受診し、USにて精巣腫瘍が疑われた。紹介受診時の血液生化学検査にて腫瘍マーカーは正常範囲であり、USでは左精巣腹側に辺縁がわずかに低エコー、内部不均一で全体に等~わずかに高エコーを呈する領域を認め、カラードプラでは同領域に血流を認めなかった。MRIではUSと同領域にT2強調像で明瞭な低信号、T1強調像で周囲精巣実質とほぼ等信号を呈する領域を認め、病変部の辺縁はリング状に造影された。また、脂肪抑制T1強調像では両側陰嚢内に比較的新しい静脈内血栓を示唆する所見を認め、静脈うっ滞を機序とした精巣区域性梗塞と診断して保存的に加療した。
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