症例
ニボルマブ治療中に乾癬様皮疹を生じた悪性黒色腫の1例
奥根 真里
1
,
田中 亮多
,
井上 紗恵
,
田口 詩路麻
,
藤澤 康弘
,
藤本 学
1筑波大学 医学医療系皮膚科
キーワード:
Diflucortolone
,
乾癬
,
CD4抗原
,
CD8抗原
,
紅斑
,
黒色腫
,
リンパ行性転移
,
背部
,
皮膚腫瘍
,
発疹
,
免疫組織化学
,
Nivolumab
Keyword:
Back
,
Exanthema
,
Erythema
,
Diflucortolone
,
Immunohistochemistry
,
Lymphatic Metastasis
,
Melanoma
,
Psoriasis
,
Skin Neoplasms
,
Antigens, CD8
,
Antigens, CD4
,
Nivolumab
pp.661-664
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017237909
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78歳男。上背部正中に黒色扁平隆起性腫瘍を認め、原発巣切除と両腋窩リンパ節郭清を行い、pT4aN3M0 Stage IIIcと診断した。10ヵ月後に皮膚転移が多発し、ニボルマブの投与により皮膚転移は平坦化したが、11回投与後、体幹・四肢に角化性紅斑が出現した。病理組織学的所見では錯覚化・過角化を認め、顆粒層消失を伴う不規則な表皮肥厚があり、角層下には微小膿瘍を形成していた。ニボルマブによる乾癬様皮疹と診断した。ジフルコルトロン吉草酸エステルの外用を開始し、ニボルマブを中止してbest supportive careを行った。最終投薬日より2ヵ月後には手掌の鱗屑が著明となり、爪の点状陥凹や粗そう化も認めたため、エトレチナート内服を追加し改善した。皮膚転移の大きさと数に変化はなかったが、最終投薬日より5ヵ月後に施行したPET-CTで、新たに左腋窩と肺門部への多発リンパ節転移と肺転移を認めた。
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