症例
右鼠径部に生じた異所性子宮内膜症の1例
高橋 仁美
1
,
廣崎 邦紀
,
坂本 譲
,
伊藤 美夫
,
内田 亜紀子
1国立病院機構北海道医療センター 皮膚科
キーワード:
黄体ホルモン
,
子宮内膜症
,
鼠径部
,
拡散MRI
Keyword:
Corpus Luteum Hormones
,
Endometriosis
,
Groin
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.117-120
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115833
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
34歳女。右鼠径部の有痛性腫瘤を主訴とした。3週間前より右鼠径部の皮下腫瘤を自覚し、初診時には同部位に弾性硬、可動性不良で有痛性の皮下腫瘤(約3cm大)を触知したが、月経周期に伴う症状の変化はなかった。臨床検査所見ではCA19-9、CA125が軽度上昇し、MRI T1強調画像では不均一な低信号を呈する充実性の病変を認め、T2強調画像では内部に索状の低信号領域が目立った。摘出した腫瘍の病理組織学的所見では増生する膠原線維のなかに内膜間質を伴う子宮内膜内膜腺を認めたほか、リンパ節内にも子宮内膜組織が観察され、異所性子宮内膜症と診断して黄体ホルモン療法を開始した。自験例ではリンパ管を介した転移が発症に関与したと考えられ、術後半年経過現在、再発はなく、腫瘍マーカーは低下傾向にある。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.