特集 角化症・炎症性角化症
シクロスポリン内服療法が奏効した小児の汎発性膿疱性乾癬
半田 梓
1
,
松浦 大輔
,
藤川 一穂
,
中川 千夏
,
山崎 律子
,
照井 正
,
落合 豊子
1日本大学医学部附属病院 皮膚科
キーワード:
Ciclosporin
,
かぜ
,
経口投与
,
発熱
,
乾癬-膿疱性
Keyword:
Administration, Oral
,
Common Cold
,
Fever
,
Cyclosporine
pp.451-454
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017233471
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6歳男児。2週間前より感冒様症状があり、市販感冒薬を内服したが、内服開始数日から体幹・四肢に膿疱が出現した。初診時、頸部・背部・臀部に境界やや不明瞭な紅斑がみられ、紅斑の上には膿疱が多発し、一部で癒合して膿海を形成していた。臨床経過や病理組織像より皮膚細菌感染症の可能性を考え、セファゾリンナトリウムの内服を開始したところ、皮疹は軽快した。しかし、約10日後に頭痛、咳嗽、発熱とともに体幹に無菌性膿疱を伴う紅斑が多発し、診断基準となる主要項目が全て満たされたことから小児汎発性膿疱性乾癬と診断された。診断後はシクロスポリンの内服療法が奏効し、徐々に減量して1年8ヵ月後に離脱することができた。現在はタクロリムス軟膏の外用のみで皮疹は軽快している。
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