症例
先天性血管拡張性大理石様皮斑の1例
岸 隆行
1
,
赤坂 俊英
1岩手県立久慈病院 皮膚科
キーワード:
待機療法
,
大理石様皮膚-先天性血管拡張性
Keyword:
Watchful Waiting
pp.1873-1876
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081158
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生後30日女児。右半身の皮斑を主訴とした。妊娠経過中に特に異常はなく、正常分娩で出生したが、出生時より右半身皮膚の色調がやや悪いと指摘された。紹介受診時には右前胸部および右上背部(Th2付近)から右腹部、右腰部、右下肢、右足背、右足底にかけて、体幹では正中部に境界明瞭な紅色調の網状皮斑をびまん性に認め、病理組織学的所見では真皮浅層に毛細血管の拡張と増生、血管周囲性のリンパ球浸潤がみられた。特徴的な臨床所見と病理組織所見より先天性血管拡張性大理石様皮斑と診断して無治療で経過観察したところ、初診1ヵ月後には著明な皮斑の消退傾向を認めたが、その後は緩徐な消退を示し、1歳3ヵ月現在も完全消退はしていない。全経過中、血液検査所見に特に異常はなく、全身のCTやMRIでも明らかな合併奇形は認めていない。
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