症例
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(TS-1)によるDLE型薬疹
新井 悠江
1
,
船坂 陽子
,
神崎 亜希子
,
菅野 仁士
,
佐伯 秀久
1日本医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
Sjoegren症候群
,
Steroids
,
胃腫瘍
,
エリテマトーデス-円板状
,
生検
,
経口投与
,
経皮投与
,
配合製剤
,
薬疹
,
TS-1
,
SS-A抗体
Keyword:
Administration, Oral
,
Administration, Cutaneous
,
Biopsy
,
Drug Eruptions
,
Drug Combinations
,
Lupus Erythematosus, Discoid
,
Sjogren's Syndrome
,
Stomach Neoplasms
,
Steroids
,
SS-A Antibodies
pp.1691-1695
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017077888
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症例は69歳女性で、Stage IIIの胃癌に対しTS-1の内服を開始したところ、内服開始18日目より顔面、頸部、前胸部に鱗屑を伴う皮疹が出現した。薬剤の減量を試みるも、皮疹の改善を認めなかったため、著者らの皮膚科へ受診となった。血液検査では抗核抗体陽性、抗SS-A抗体の軽度上昇を認め、光線過敏性試験では5MEDのUVB照射で紅斑反応が2週間持続した。病理組織所見では、表皮に角化細胞の壊死、表皮真皮境界部に液状変性、真皮内にリンパ球浸潤、毛孔に角化がみられた。以上より、本症例はTS-1によるDLE型薬疹と診断された。更に口唇生検で導管周囲に多数のリンパ球浸潤を認め、Sjoegren症候群の合併がみられた。皮疹はステロイド外用により消退し、遮光により再発は認められていない。
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