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特集 薬疹・薬物障害
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤によりDLE様皮疹が出現したエリテマトーデス型薬疹の1例
Erythematosus-type Drug Eruption Associated with Discoid Cutaneous Lesions Caused by a Combination Drug of Tegafur/Gimeracil/Oteracil in a Patient with DLE
林 周次郎
1
,
上野 あさひ
1
,
濱﨑 洋一郎
1
,
籏持 淳
1
Shujiro HAYASHI
1
,
Asahi UENO
1
,
Yoichiro HAMASAKI
1
,
Atsushi HATAMOCHI
1
1獨協医科大学病院,皮膚科学教室(主任:井川 健教授)
キーワード:
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤
,
エリテマトーデス
,
薬疹
Keyword:
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤
,
エリテマトーデス
,
薬疹
pp.63-66
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000518
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60歳,女性。1年前に十二指腸癌に対して膵頭十二指腸切除術を受け,半年前からテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(TS-1)の投与が開始された。数日前より発熱と顔面,手指の皮疹が出現し当科を受診した。鼻尖部,口唇に痂皮とびらんを伴う紅斑と,手背には中央が萎縮性で鱗屑を伴う凍瘡に類似した紅斑が多発していた。皮膚組織では表皮基底膜の液状変性,真皮の浮腫性変化とリンパ球の浸潤を認めた。蛍光抗体直接法で基底膜のC3,IgM沈着を認めた。抗ss-DNA抗体が陽性。TS-1の中止とプレドニゾロンで軽快した。TS-1は多診療科で使用頻度が高い薬剤であり,本剤のエリテマトーデス型薬疹についての周知と,本剤投与前の血清免疫学的検査が必要と思われた。
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