特集 ウイルス感染症 最近の動向
HIV感染症に合併した難治性尖圭コンジローマの1例
松田 光弘
1
,
小野 文武
,
三原 典
,
安元 慎一郎
,
名嘉眞 武国
1公立八女総合病院 皮膚科
キーワード:
カンジダ症-口腔
,
HIV Infection
,
Miconazole
,
PCR法
,
陰茎疾患
,
生検
,
尖圭コンジローマ
,
経皮投与
,
Imiquimod
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Biopsy
,
Candidiasis, Oral
,
Condylomata Acuminata
,
Miconazole
,
Penile Diseases
,
HIV Infections
,
Polymerase Chain Reaction
,
Imiquimod
pp.1657-1660
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017077883
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67歳男性。性器の疣状結節を主訴に近医にて凍結療法やイミキモドクリーム外用による治療を受けるも改善せず、著者らの皮膚科へ紹介となった。所見では冠状溝に全周性に広く疣状結節が認められたほか、舌には白苔が付着し、KOH直接鏡検でカンジダが検出された。更にほかの検査にてHIV感染症、尖圭コンジローマの診断に至った。CD4陽性細胞は33/μlと低値であり、HIV感染に対し抗HIV療法を開始した。口腔カンジダ症にはミコナゾールゲル外用による加療を行った。尖圭コンジローマに対しては免疫能回復後に加療を行う方針としたが、抗HIV療法開始後約6ヵ月で陰部の結節が急速に増大した。免疫再構築症候群によるものであると考え、イミキモドクリームによる治療を再開したところ、約3ヵ月で結節は消退し、その後の再発は認められていない。
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