特集 歯科領域の薬物療法 薬を使いこなす"知識"と"ノウハウ"
歯科領域の感染症における予防・治療薬の考え方・使い方 口腔カンジダ症の予防・治療戦略
上川 善昭
1
1鹿児島大学病院 口腔顎顔面センター口腔外科
キーワード:
Amphotericin B
,
カンジダ症-口腔
,
Miconazole
,
義歯
,
義歯洗浄剤
,
抗真菌剤
,
日和見感染
,
薬物相互作用
,
菌交代症
,
Itraconazole
,
口腔ケア
,
薬物使用禁忌
,
地域包括ケアシステム
Keyword:
Candidiasis, Oral
,
Drug Interactions
,
Superinfection
,
Dentures
,
Opportunistic Infections
,
Antifungal Agents
,
Itraconazole
,
Contraindications, Drug
,
Denture Cleansers
,
Miconazole
,
Amphotericin B
pp.2294-2299
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.15104/J01461.2020218332
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<Key Points>◎口腔カンジダ症は口腔常在微生物叢の変化によりカンジダが増殖して生じる日和見感染、菌交代現象である。免疫能の低下した患者では容易にカンジダ肺炎やカンジダ血症などの深在性真菌症へと進展し、不帰の転帰を辿ることもあるので注意が必要である。◎偽膜性カンジダ症を白いカンジダ症、紅斑性カンジダ症を赤いカンジダ症とした分類が便利である。紅斑性カンジダ症は見逃されやすく、口内炎として治療され難治となることがある。苦味や灼熱感を訴え診断の一助となる。剥離性口唇炎、口角炎、潰瘍性カンジダ症などの難治性口内炎はカンジダ関連疾患であり、抗真菌薬により改善する。◎口腔カンジダ症の治療は薬物療法である。抗菌力、剤形により有効な抗真菌薬を選択するが、併用禁忌薬があるので薬剤選択は慎重に行う必要がある。◎周術期、地域包括ケアにおける口腔ケアでは、口腔常在微生物叢の保全と保湿が肝要である。義歯清掃では細菌のみならず真菌に対する配慮が必要である。
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