発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013197241
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69歳女。微熱と倦怠感が出現し、汎血球減少を指摘された。骨髄検査では異常細胞は認めず外来観察としたが、再び発熱で再受診し、高LDH血症と肝脾腫を認めたため入院となった。Performance Status 1、汎血球減少を認めたが、末梢血分画で異常細胞は認めず、LDHと可溶性IL-2レセプターおよびフェリチンの異常高値を認めた。CTでは脾腫を認めたが、その他に有意な腫瘤性病変や粘膜肥厚像、リンパ節腫大はなく、Gaシンチでも脾臓への集積以外に明らかな異常集積像は認めなかった。悪性リンパ腫の存在を否定できず、リンパ節腫脹を伴わないIVLBCLと考え、ランダム皮膚生検を両側大腿部より計6ヶ所に施行した。皮下脂肪組織の小血管内に中~大型のCD20陽性の異常リンパ球集簇がみられ、malignant lymphoma、IVLBCLと診断した。R-CHOP療法を計8コース施行したところ、速やかに解熱し、LDH・sIL-2Rも正常化した。化学療法終了後のCTおよびGaシンチで病変を示唆する所見は認めない。治療効果判定は完全寛解で、以降現在まで再燃なく経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2013