症例
前腕皮下に生じたEpithelioid Hemangioendotheliomaの1例
熊谷 宜子
1
,
舩越 建
,
新川 宏樹
,
種瀬 啓士
,
川崎 洋
,
眞杉 洋平
,
亀山 香織
1慶応義塾大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
前腕
,
免疫組織化学
,
類上皮血管内皮腫
,
カラーDoppler超音波診断
,
皮膚外科
Keyword:
Forearm
,
Immunohistochemistry
,
Hemangioendothelioma, Epithelioid
,
Ultrasonography, Doppler, Color
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.1175-1179
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016319267
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62歳女。当科受診の半年前に左前腕の皮下結節を自覚した。1ヵ月前から疼痛・痺れの症状を認めるようになり、前医受診した。皮膚表面に隆起や色調変化はなく、皮下との可動性が不良な5mm大の結節を触れた。超音波検査で皮下に境界明瞭な低エコー領域、周囲にカラードップラーで血管像を認められ、動静脈奇形の疑いで腫瘍切除術を施行されたが、病理組織所見からepithelioid hemangioendothelioma(以下EH)が疑われ、当科に紹介された。切除標本の病理組織所見は、中型血管様構造内に充実性腫瘤を認め、腫瘍細胞は、くびれのある卵円形の核と淡好酸性の胞体をもち、周囲にスリット状の毛細血管を伴って増生し、免疫染色でCD31、CD34、Factor VIIIが陽性であった。これらの所見から、EHと確定診断した。組織学的に腫瘍の残存はなかったが、再発のリスクを考慮し、前医での手術創部から水平方向に1cm離して筋膜を含め追加切除を行った。術後1年の現在まで再発・転移は認めていない。
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