特集 角化症・炎症性角化症
胸部に生じたHyperkeratosis Lenticularis Perstansの1例
大原 香子
1
1大原医院
キーワード:
胸部疾患
,
皮膚鏡検査
,
恒久性レンズ形角質増加症
Keyword:
Thoracic Diseases
,
Dermoscopy
pp.1100-1101
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305030
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95歳男。受診前日から体幹・四肢に紅色丘疹が多発し来院した。初診時、体幹・四肢に左右対称性に細かい紅色丘疹が散在していたほか、上胸部に2~4cm大で中心に白色角化物を有する黒色結節が多発していた。紅色丘疹は中毒疹と診断し、数日で自然軽快した。その後、黒色結節の皮膚生検を行い、Hyperkeratosis lenticularis perstans(HLP)と診断した。HLPについて文献的検討を行ったところ、国内ではこれまで本例を含めて90例の報告があり、性別は男性62例、女性28例と男性が多かった。発症年齢は30~50歳代が多く、本例の95歳は最高齢であった。皮疹の分布は足背84例、手背63例と四肢末端部が多く、次いで下腿48例、前腕18例、大腿8例の順であり、稀な部位として掌蹠、耳介、顔面、背部が各々1~3例報告されていたが、胸部はこれまで報告がなく、本例が初めてであった。
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