特集 生物学的製剤・有用性
臨床例
頭部血管肉腫に対してベバシズマブを使用した1例の組織学的検討
山本 有紀
1
,
下松 達哉
,
中村 靖司
,
古川 福実
1和歌山県立医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
血管肉腫
,
腫瘍多剤併用療法
,
生検
,
頭頸部腫瘍
,
肺腫瘍
,
致死的転帰
,
Docetaxel
,
Bevacizumab
Keyword:
Bevacizumab
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Biopsy
,
Head and Neck Neoplasms
,
Hemangiosarcoma
,
Lung Neoplasms
,
Fatal Outcome
,
Docetaxel
pp.349-352
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014237172
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<症例のポイント>進行性頭部血管肉腫に対して、化学療法(Docetaxel)にベバシズマブを併用することで、臨床的・組織学的に奏効した症例を経験した。ベバシズマブ1回併用により、腫瘤は著明に平坦化し、病理組織学的にも腫瘍細胞の核の空胞化や赤血球の漏出像を認めた。また、免疫組織学的には、ヒト血管内皮成長因子(vascular endothelial growth factor、以下、VEGF)、Ki-67陽性率の著明な減少を認めた。ベバシズマブの副作用として、血痰・鼻出血、消化管出血、喀血、脳出血、脳梗塞を含む血栓症があり、いずれも正常の内皮細胞障害に起因する副作用である。自験例において、腫瘤からの出血・潰瘍化が認められ処置を必要とした。ベバシズマブは、進行性血管肉腫の新しい治療戦略になりうると考えた。
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