特集 薬疹・薬物障害
皮疹軽快後に嗄声と口角の苔癬型組織反応を生じたStevens-Johnson症候群進展型中毒性表皮壊死症の1例
福田 翔子
1
,
難波 純英
,
中村 晃一郎
,
倉持 朗
,
新井 栄一
,
土田 哲也
1埼玉医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
IgG
,
Methylprednisolone Succinate
,
Prednisolone
,
嗄声
,
経口投与
,
表皮壊死融解-中毒性
,
発疹
,
苔癬型発疹
,
大量薬物療法
,
パルス療法(薬物療法)
,
Dienogest
,
Sultamicillin
,
静脈内注入
,
口角
Keyword:
Administration, Oral
,
Exanthema
,
Hoarseness
,
Infusions, Intravenous
,
Immunoglobulin G
,
Methylprednisolone Hemisuccinate
,
Prednisolone
,
Stevens-Johnson Syndrome
,
Lichenoid Eruptions
,
Pulse Therapy, Drug
,
Dienogest
,
Sultamicillin
pp.333-337
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016208967
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43歳女。スルタミシリントシル酸塩水和物などの投与開始後に体幹、口唇のびらんが出現し、皮疹が急激に悪化したため当院救急搬送となった。初診時、眼瞼、口唇に血痂が付着し、顔面、体幹・四肢には紅斑、褐色斑、びらんが散在し、Stevens-Johnson症候群進展型中毒性表皮壊死症と診断した。ステロイドパルス療法、免疫グロブリン大量静注療法による治療を開始し、皮疹は著明に改善したが、3ヵ月後より嗄声が出現した。炎症後の喉頭部の瘢痕と考えられ、トラニスト内服で治療した。その2ヵ月後、子宮内膜症の症状が悪化したためジエノゲストを再開したところ、口角の白色局面が出現した。口角の病理組織像からは苔癬型組織反応がみられたため、PSLの内服を開始した。また、ジエノゲストによる苔癬型薬疹の可能性も考え、同薬剤を中止した。その後、口角の白色局面は改善したが、PSLの減量後に再燃したため、PSLを増量し改善傾向にある。
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