発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013133393
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67歳女。健診で耐糖能障害、高血圧を指摘され、近医に通院中であった。左上腕筋肉離れで整形外科を受診し、ロキソプロフェンを処方されたが、2ヵ月後に腎機能障害を認めたため精査加療目的に紹介となった。軽度の貧血と好中球優位の白血球増多を認めたが、好酸球数は正常であった。血沈の亢進、CRPは上昇していた。Cr 4.0mg/dl、尿素窒素45mg/dlと高度の腎機能障害があり、軽度の低K血症を認め、尿糖は強陽性であった。入院5病日の腎生検より、急性間質性腎炎と診断された。また、末梢血リンパ球刺激試験(DLST)でロキソプロフェン陽性であったことから、同薬剤による急性間質性腎炎と考えられたため、ロキソプロフェン内服を中止した。第12病日以降は血清Cr 3mg/dayでプラトーとなり、第19病日よりメチルプレドニゾロン・ハーフパルスを施行し、後療法でPSL内服とし、ステロイド開始後は腎機能が改善し、退院時に血清Crは低下しCRPも陰性化した。治療開始前に腎不全があるにもかかわらず低K血症を呈し、血清尿酸値およびリン値が正常低値で、血糖値に比して尿糖が強陽性であることから、近位尿細管障害が全般的に障害されており、Fanconi症候群の合併と考えられた。
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