手術症例報告
食道癌術後難治性吻合部狭窄に対しradial incision and cutting method(RIC法)を用いて改善した1例
平田 伸也
1
,
櫻谷 卓司
,
田中 善宏
,
久保田 全哉
,
荒木 寛司
,
吉田 和弘
1岐阜大学 医学部腫瘍外科
キーワード:
食道形成術
,
食道腫瘍
,
消化器系内視鏡法
,
バルーン拡張法
,
瘢痕
,
扁平上皮癌
,
食道胃吻合術
,
吻合部狭窄
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Cicatrix
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoplasty
,
Endoscopy, Digestive System
pp.307-312
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017255961
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症例は60歳男性で、以前より画像検査にて主膵管拡張を指摘され、精査目的の上部消化管内視鏡検査で胸部上部食道に2/3周性の0-IIb病変を指摘された。生検でsquamous cell carcinomaと診断した。胸腹部造影CT検査で胸部上部食道に軽度の壁肥厚を認めた。胸部食道癌と診断し、胸腔鏡下食道亜全摘術、後縦隔経路亜全胃再建2領域郭清、腸瘻造設術を施行した。術中、腫瘍口側断端マージンが不十分と判断し、口側頸部食道の追加切除を行った。術後経過は良好で、術後5日目から経口摂取を開始したが、その後の経口摂取はなかなか進まなかった。術後10日目の上部消化管造影検査と上部消化管内視鏡検査では門歯より20cmの食道胃管吻合部は高度狭窄し、pin holeとなっていた。内視鏡下に吻合部の生検を行ったが、狭窄部に遺残再発はなかった。内視鏡的バルーン拡張術及び機械的食道ブジー拡張術を施行したが改善しなかった。radial incision and cutting method(RIC法)による狭窄解除術を施行した。最終的には食事摂取可能になるまで改善し、術後99日目に自宅退院した。
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