手術症例報告
多発十二指腸腺腫に対して膵温存十二指腸全摘術を施行した1例
前田 詠理
1
,
岡野 圭一
,
須藤 広誠
,
大島 稔
,
山本 尚樹
,
鈴木 康之
1香川大学 消化器外科
キーワード:
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
十二指腸腫瘍
,
膵臓
,
腺腫
,
消化器系内視鏡法
,
小腸切除
Keyword:
Adenoma
,
Duodenal Neoplasms
,
Pancreas
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
Endoscopy, Digestive System
pp.1351-1355
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017025632
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症例は57歳女性で、32歳のときに家族性大腸腺腫症(FAP)に対して結腸全摘+回腸嚢直腸吻合術を施行され、その後残存直腸のポリープに対してフォローしていた。上部消化管内視鏡検査(EGD)で十二指腸乳頭部近傍に2cm大の平坦隆起性病変を指摘され、増大傾向であった。腹部CT所見では、十二指腸病変は同定できず、周囲に有意なリンパ節腫大はなかった。骨盤部で腸間膜内に長径6cmの不整形軟部影を認めた。造影効果を認め、デスモイド腫瘍を疑った。十二指腸3病変の生検結果は、全てtubular adenomaの診断であった。多発十二指腸腺腫に対して膵温存十二指腸全摘術(PPTD)を施行した。合併症なく術後14日目に退院した。術後7ヵ月現在、無再発生存中である。
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