臨床研究
Postlethwait型Y字胃管を用いた食道バイパス手術例の検討
堅田 朋大
1
,
桑原 史郎
,
登内 晶子
,
眞部 祥一
,
須藤 翔
,
片柳 憲雄
1新潟市民病院 消化器外科
キーワード:
手術創離開
,
食道形成術
,
食道腫瘍
,
外科的ステープリング
,
後向き研究
,
治療成績
,
食道胃吻合術
Keyword:
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoplasty
,
Retrospective Studies
,
Surgical Wound Dehiscence
,
Surgical Stapling
,
Treatment Outcome
pp.1103-1107
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2016367785
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当科で経験した、多臓器浸潤もしくは遠隔転移を有する切除不能進行食道癌に食道バイパス手術(Postlethwait型Y字胃管(Postlethwait法))を施行した11例(男性10名、女性1名、54〜81歳)について後視的に検討、報告した。切除不能進行食道癌に対する当科での食道バイパス手術の主な適応は、高度狭窄でステント留置が不可能な症例などであるが、食道バイパス手術の大きな問題点として術後縫合不全のリスクが高いことが挙げられ、自験例でも11例中4例(36%)に術後縫合不全を合併し、そのうち1例は重篤化し在院死亡となっている。一方、食道バイパス手術では、術後に食事摂取可能となった場合には、通過が良好となり、比較的安定した食生活が期待できることが多く、自験例でも術後に経口摂取可能となった9例全例が、原病死までの期間で十分な経口摂取が可能であった。
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