臨床経験
頸管妊娠に対するMTX局注療法の有用性の検討
吉田 梨恵
1
,
長谷川 瑛
,
永光 雄造
,
伊東 宏絵
,
久慈 直昭
,
名取 道也
,
井坂 惠一
1東京医科大学 産科婦人科学分野
キーワード:
Chorionic Gonadotropin
,
Methotrexate
,
注射
,
後向き研究
,
治療成績
,
子宮頸管妊娠
Keyword:
Injections
,
Chorionic Gonadotropin
,
Methotrexate
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
pp.657-662
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017251479
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妊孕性温存を希望し、メソトレキセート(MTX)投与を行った頸管妊娠6例を対象として、MTX局注療法の有用性を検討した。心拍陽性であった4例には胎嚢内へMTX局注(MTX 25mg)を行い、うち2例は局所投与後にMTX全身投与(MTX 50mg/m2、筋注)を併用した。一方、心拍陰性であった2例にはMTX全身投与を行った。その結果、局所投与で治療を開始した4例は、全例投与後14日程で投与前に比べて血中hCG値が50%前後低下し、以後良好に経過した。また、血中hCG値低下が不良であった全身投与例1例に子宮内容除去術を行ったが、ほとんどは追加治療を要さず、子宮温存が可能であった。自験例ではMTX局所投与のみでも全身投与併用例と遜色ない経過であり、注入時の投与量は25mgで十分な効果を得る可能性があると考えられた。今回、MTX局注療法の有用性が示唆された。
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