臨床経験
当院における妊娠中に診断された悪性腫瘍の検討
内倉 友香
1
,
松原 圭一
,
松原 裕子
,
杉山 隆
1愛媛大学 大学院医学系研究科産科婦人科学
キーワード:
胃腫瘍
,
細胞診
,
子宮頸部腫瘍
,
人工妊娠中絶
,
直腸腫瘍
,
帝王切開術
,
乳房腫瘍
,
妊娠合併症-腫瘍性
,
後向き研究
,
妊娠転帰
,
白血病リンパ腫-前駆細胞リンパ芽球性
Keyword:
Abortion, Induced
,
Uterine Cervical Neoplasms
,
Breast Neoplasms
,
Cytodiagnosis
,
Cesarean Section
,
Pregnancy Outcome
,
Pregnancy Complications, Neoplastic
,
Retrospective Studies
,
Rectal Neoplasms
,
Stomach Neoplasms
,
Precursor Cell Lymphoblastic Leukemia-Lymphoma
pp.1695-1701
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017095139
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妊娠中に悪性腫瘍と診断された12症例(平均年齢34±0.4歳、初産婦9例、経産婦3例)を対象に、悪性腫瘍合併妊娠の予後について検討した。その結果、悪性腫瘍の内訳は子宮頸癌が6例、乳癌が3例、胃癌・直腸癌・悪性リンパ腫が各1例であり、自覚症状が診断の契機となった症例は7例で、子宮頸癌の5例は妊娠初期の細胞診検査で診断された。妊娠転帰は早産が9例、正期産・人工妊娠中絶が各2例であった。子宮頸癌についてはいずれも妊娠中に円錐切除術を施行し、進行期はIA2期からIB2期であり、うち4例(IB1期、IB2期)では帝王切開術と同時に広汎子宮全摘術が施行されていた。IA2期とIB1期の2例では患者が子宮温存を強く希望したため現在も経過観察中であるが、現時点では再発は認められていない。乳癌の3症例はいずれも腫瘤触知が診断の契機となっていた。進行期IIIAの1例は妊娠18週、進行期IIAとIV期の2例は産後に乳房切除術を施行し、全例が人工早産となった。リンパ芽球性リンパ腫の1例は妊娠初期に両側の頸部に腫瘤を触知し、頸部リンパ節生検による診断後、妊娠24週より化学療法を行い、部分寛解となり、妊娠30週3日目に帝王切開術にて分娩した。
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