白内障術後炎症管理におけるnepafenac 0.1%点眼使用経験

白内障術後炎症管理にネバナックを単独処方した172例217眼(Nf群)における術後炎症抑制効果を評価した。術後早期前房フレア値、副作用による中止例を調査し、ジクロードとベルベゾロンFを併用した172例216眼と比較した結果、翌日フレア値はNf群が有意に高かったが、合併症のない核硬化非進行眼では差がなく、術後8日目のフレア値は核硬化進行眼や総超音波時間の長い例でNf群が有意に高かった。副作用による2ヵ月以内の中止例はベルベゾロンF 52眼、ネバナック15眼、ジクロード3眼で、ベルベゾロンFは角膜上皮障害、ネバナックは結膜充血持続が主な中止事由であり、Nf群におけるステロイド追加処方例16例21眼(10%)のうち、4眼は消炎不十分に対するものであった。ネバナックは単独使用に堪え得る優れた抗炎症薬といえるが、手術侵襲の大きい例では適宜ステロイドを追加処方することが推奨されると考えられた。