原著
急性梅毒性後部脈絡網膜炎の治療前後におけるOCT所見の変化
橋本 洋平
1
,
善本 三和子
,
松丸 祐大
,
日出山 拓人
,
椎尾 康
,
松元 俊
1東京逓信病院 眼科
キーワード:
Amoxicillin
,
Ampicillin
,
網膜色素上皮
,
眼底
,
強膜炎
,
髄膜炎
,
経口投与
,
梅毒
,
脈絡網膜炎
,
網膜剥離
,
男性同性愛
,
光干渉断層撮影
,
静脈内注入
,
眼底撮影
Keyword:
Fundus Oculi
,
Administration, Oral
,
Amoxicillin
,
Ampicillin
,
Chorioretinitis
,
Infusions, Intravenous
,
Meningitis
,
Retinal Detachment
,
Syphilis
,
Scleritis
,
Homosexuality, Male
,
Tomography, Optical Coherence
,
Retinal Pigment Epithelium
pp.879-886
発行日 2016年8月5日
Published Date 2016/8/5
DOI https://doi.org/10.18888/J00293.2016400866
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急性後部脈絡網膜炎を認めた眼梅毒の2例を経験した。症例1は57歳男性で、左眼の視力低下を自覚した。スペクトラルドメイン光干渉断層計(SD-OCT)では、横径約4乳頭径大の範囲において、ellipsoid zone(EZ)の消失、interdigitating zone(IZ)の消失、網膜色素上皮(RPE)上の小結節の散在を認めた。眼所見ならびに全身検査より、急性梅毒性後部脈絡網膜炎と診断した。抗菌薬投与前に眼所見の自然改善を認めた。梅毒治療としてアモキシシリンの内服を開始し、眼所見と自覚症状は改善した。症例2は56歳男性で、左眼の眼球後部痛が出現した。左眼充血が出現し眼球後疼痛も増強した。右眼は軽度の結膜充血を認め、眼底には黄斑部に網膜下の点状黄白色病変を認めた。OCTでは同部位に対応してRPEの結節性突出を認めた。梅毒血清反応でRPR定性、TPHA定性ともに陽性を示した。梅毒性強膜炎および梅毒性脈絡網膜炎に梅毒性髄膜炎が合併したものと診断し、神経梅毒に対する治療としてアンピシリンの点滴治療とアモキシシリンの内服治療を行い、眼所見は改善した。
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