歯の細胞生物学
歯髄再生療法とレーザー治療
横瀬 敏志
1
1明海大学 歯学部機能保存回復学講座保存治療学分野
キーワード:
mRNA
,
光化学療法
,
骨形成
,
根尖性歯周炎
,
細胞運動
,
歯髄
,
歯髄疾患
,
歯胚
,
象牙芽細胞
,
象牙質
,
象牙質形成
,
免疫組織化学
,
歯周組織再生誘導法
,
低レベルレーザー療法
,
固体レーザー
,
気体レーザー
,
レーザー療法
Keyword:
Dental Pulp Diseases
,
Dental Pulp
,
Cell Movement
,
Dentin
,
Dentinogenesis
,
Immunohistochemistry
,
Periapical Periodontitis
,
Odontoblasts
,
Osteogenesis
,
Photochemotherapy
,
RNA, Messenger
,
Tooth Germ
,
Guided Tissue Regeneration, Periodontal
,
Low-Level Light Therapy
,
Lasers, Gas
,
Laser Therapy
,
Lasers, Solid-State
pp.49-58
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2016149818
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歯は硬組織であるエナメル質,象牙質,セメント質によって覆われているが,その内部には間葉系組織を中心とした神経線維と血管に富んだ軟組織である歯髄組織が存在している.歯髄組織は歯の痛覚を担う以外にもう蝕などの外来刺激から歯を守る有用な役割を果たしている.う蝕などにより歯髄組織に感染が起きた場合には歯髄除去療法(抜髄)を行うが,歯髄組織を失った歯は健常な歯に比べて破折の危険性が増加することから歯髄保護を積極的に行うことは歯を保存するうえでも重要な意味をもつ.最近はこの歯髄保存療法(vital pulp therapy)や歯髄組織を再生させる歯髄再生療法(regenerative endodontic therapy)が注目されている.われわれはこの歯髄組織の再生治療に光学治療器であるレーザー(レーザー光線)を応用することを研究している.本稿ではこれまでに行ってきた歯髄組織におけるレーザーの低出力照射法(LLLT;low reactive level Laser therapy)を用いた再生治療について,骨組織への作用と比較しながら歯科臨床の観点から最近の知見とともに概説する.
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