今月の主題 急性期脳卒中の臨床
基礎
膵臓の機能
杉本 正邦
1
,
内藤 聖二
2
1順大伊豆長岡病院内科
2順天堂大学災害医学研究所
pp.171-173
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207729
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はじめに
膵臓の機能は内分泌部と外分泌部に分けられ,内分泌部は膵島を形成し,中にインスリンを分泌するB細胞,グルカゴンを分泌するA細胞,その他のホルモンを分泌するD,G細胞などが含まれている.外分泌部には主として蛋白,膵酵素を分泌する腺房細胞と,水分,重炭酸塩を分泌する膵管上皮系細胞がある.これらの内外分泌細胞は相互に関連性を有しており,消化管ホルモンや血中の栄養,代謝物質に反応して活動しているものと考えられている.
内外分泌細胞を最も強力に刺激する因子としてセクレチンは1902年に発見され,塩酸が小腸に進入すると小腸粘膜中に存在するセクレチン分泌細胞からセクレチンが放出され,血中を介して膵管上皮系細胞に到達し,水,重炭酸塩は大量分泌排泄されることが知られている.膵酵素はCCK-PZ(コレチストキニン・パンクレオザイミン)とCa++,アセチルコリンなどの作用により,腺房細胞より分泌されるが,CCK-PZ作用はセクレチンにより増強される.また,水,重炭酸塩の分泌はセクレチンとVIPによる膵動脈の血流増加によりさらに強力となる.一方,セクレチンは膵よりインスリンを分泌させるホルモンでもあり,他方ガストリン分泌を抑制する作用も著明に認められる.
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