特集 橈骨遠位端骨折の最前線−治療の極意を教えます−
橈骨遠位端骨折 最小侵襲手術(MIS)としてのVLP固定法の極意
沖田 駿治
1
,
楢﨑 慎二
1
,
今谷 潤也
1
1岡山済生会総合病院整形外科
キーワード:
最小侵襲手術(minimally invasive surgery;MIS)
,
橈骨遠位端骨折(distal radius fracture;DRF)
,
掌側ロッキングプレート(volar locking plate;VLP)
Keyword:
最小侵襲手術(minimally invasive surgery;MIS)
,
橈骨遠位端骨折(distal radius fracture;DRF)
,
掌側ロッキングプレート(volar locking plate;VLP)
pp.554-559
発行日 2025年6月19日
Published Date 2025/6/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000002193
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橈骨遠位端骨折(distal radius fracture;DRF)に対する標準的掌側ロッキングプレート(volar locking plate;VLP)固定では方形回内筋(pronator quadratus;PQ)を縦切し手術を行う。当科では“pinningとplatingの間を埋める”というコンセプトのもと,比較的安定型のDRF症例に対しては約2.5 cm程度の皮切からPQを温存し,専用のVLPで内固定する最小侵襲手術(minimally invasive surgery;MIS)を施行している。筆者らの前向き研究の結果によるとMISは標準的なVLP固定術よりも術後早期の疼痛が少なく,その臨床成績は一般的なVLP固定術に劣らないことがわかった。比較的安定型のDRF症例のうち,早期社会復帰のために手術加療を希望する症例に対しては,術後早期の疼痛が軽度で術後臨床成績も良好であるMISは有効な選択肢だと考える。

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