特集 橈骨遠位端骨折の最前線−治療の極意を教えます−
橈骨遠位端骨折を手術的に治療するうえで必ず知っておくべき臨床解剖
坂 なつみ
1,2
1帝京大学医学部整形外科学講座
2東京科学大学臨床解剖学分野
キーワード:
橈骨遠位端骨折(distal radius fractures)
,
腱損傷(tendon injury)
,
解剖学(anatomy)
Keyword:
橈骨遠位端骨折(distal radius fractures)
,
腱損傷(tendon injury)
,
解剖学(anatomy)
pp.538-544
発行日 2025年6月19日
Published Date 2025/6/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000002191
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橈骨遠位端骨折の手術治療において,正確な解剖学的理解は合併症の回避および治療成績の向上に不可欠である。橈骨遠位端の骨性解剖および軟部組織解剖には,掌側の骨形状,月状骨窩の形態など,手術手技に影響を及ぼす重要な解剖学的特徴が存在する。さらに,掌側ロッキングプレートの設置に関連する屈筋腱損傷のリスクや,掌側月状骨窩骨片の治療上の課題についても,解剖学的視点からの検討が求められる。本稿では,橈骨遠位端骨折の手術治療を行ううえで知っておくべき臨床解剖について概説し,術中の評価や治療戦略に活用可能な知見を提供する。

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