Japanese
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連載 卒後研修講座
橈骨遠位端骨折に対する手術的治療
Operative treatments for distal radius fractures
森谷 浩治
1
K. Moriya
1
1新潟手の外科研究所
1Niigata Hand Surgery Foundation, Niigata
キーワード:
distal radius fracture
,
operative treatment
,
palmar locking plate
Keyword:
distal radius fracture
,
operative treatment
,
palmar locking plate
pp.173-178
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_173
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は じ め に
橈骨遠位端骨折に関する最初の認知は紀元前400年頃の “Hippocrates of Cos” まで遡れるが,そこには手関節の脱臼も多く含まれており,実際に本骨折を最初に明示したのは1705年のJean-Louis Petitとされる1).1895年にRöntgenが発見したX線は橈骨遠位端骨折の診断に一大転機をもたらすが,洋の東西を問わず当時の治療は徒手整復ならびに外固定が主体であった2).しかし,このような保存的治療だけでは整復位の維持に限界があったため,1908年Lambotteは橈骨遠位端骨折に対してはじめて経皮的鋼線固定による手術的治療を試みた3).本稿では経皮的鋼線固定を嚆矢とする手術的治療の変遷およびその選択,現在主流になっている掌側ロッキングプレート(palmar locking plate:PLP)固定の実際について概説する.
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