連載 おもしろ 医人 ヒストリー
第29回
「観察は医療の基本?Sister Mary Josephの献身」
小橋 由紋子
1
1日本大学医学部附属板橋病院放射線科
pp.1314-1315
発行日 2024年12月19日
Published Date 2024/12/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000002004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
この前,産婦人科のMRIの読影で,巨大な骨盤内腫瘍と無数の腹膜播種のある症例にぶち当たった。このような場合,婦人科では卵巣腫瘍,消化管であれば胃癌や大腸癌の卵巣転移と腹膜播種などが鑑別に挙がる。前者の場合では骨盤内腫瘍の性状の観察が重要であり,漿液性なのか粘液性なのか,はたまた線維成分が多いのかを観察する。後者の場合では胃壁のびまん性の肥厚があるか(スキルス胃癌のことが多いため),apple core signを呈する結腸壁の肥厚があるか(大腸癌の卵巣転移の場合は多房性の卵巣腫瘍になる)など,さらに詳細に見ていくことになる。「うーん,どっちともいえないよなー」なんて決めかねていたら,「臍にも腫瘍がいる! うわ,臍転移だ,珍しい」と思った。
Copyright © 2024, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.