- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
インソールとは,足底装具のなかでも靴の中に敷いて使用する足底挿板を指します(図1)。外傷や扁平足,スポーツ障害,前足部障害,関節リウマチ,麻痺性足部変形,膝関節疾患の治療および脚長差補正の目的で使用されます。外傷では,踵骨骨折やLisfranc関節脱臼骨折において,足部の縦アーチや横アーチが低下することを予防するために使用します。可撓性が保たれている比較的早期の成人期扁平足においては,University of California Berkeley Laboratory(UCBL)型足底挿板が使用され,有効性が報告されています。スポーツ障害では,例えばアキレス腱炎に対して踵部を挙上するインソールを使用します。アキレス腱断裂に対する治療でも,足関節の背屈予防のために同様のインソールが使用されることがあります。足底腱膜炎に対しては,縦アーチを保持するためにインソールを用いますが,インソールによる圧迫が疼痛の原因になりうるので,症状に応じて軟らかい材質のものを選択します。前足部障害では,Morton病やFreiberg病に対して中足骨パッドを使用します。関節リウマチにおいては,足部から足関節にかけて変形の部位や程度が多岐にわたり,病態に応じて中足骨パッドやアーチサポートなどを使用します。また,麻痺性足部変形では,知覚障害や肢位の異常により足部の変形を生じ,その結果胼胝や潰瘍を形成してしまうため,その部分を除圧するインソールなどが使用されます。膝関節疾患では,内側型変形性膝関節症に対する外側楔状足底板の使用が多くのガイドラインで推奨されています。脚長差補正に関しては,補高が大きい場合は靴を使用しますが,補高が小さい場合はインソールで対処します。
Copyright © 2023, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.