特集 疲労骨折の病態と治療
Ⅱ 各論
下肢
踵骨疲労骨折の病態と治療
重城 保之
1
,
高尾 昌人
1
1重城病院CARIFAS足の外科センター
キーワード:
骨リモデリング(bone remodeling)
,
機械的刺激(mechanical stress)
,
牽引力(traction force)
Keyword:
骨リモデリング(bone remodeling)
,
機械的刺激(mechanical stress)
,
牽引力(traction force)
pp.149-153
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001176
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・疲労骨折は,骨リモデリングが完成する前に反復して骨へのストレスが加わることで,骨吸収相が遷延し骨強度が低下することで発生する。
・歩行・走行時に踵骨には底部からの機械的刺激に加え,アキレス腱と足底腱膜の牽引力がかかる。
・画像診断は単純X線撮影,MRI,超音波検査で行う。単純X線撮影は症状発現から10日程度経過すると骨硬化像が現れる。MRIは感度・特異度とも高く,疲労骨折だけでなく骨髄浮腫や出血も描出され,早期診断が可能となる。超音波検査は,経時的な変化を追跡するのに有効である。
・疲労骨折部の治癒だけでなく,受傷前の競技レベルへの復帰させるため,骨リモデリングのメカニズムを意識して段階的な治療計画を立てる必要がある。
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