発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006040985
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70歳女.誘因なく歩行時左踵部痛が出現した.X線左側面像で踵骨結節前方に,骨梁に垂直に走る幅約3mmの帯状硬化像を認めた.左踵骨疲労骨折と診断し,可及的免荷と局所安静を行った.1週間後のX線像で右踵骨に左と同様の骨硬化像を認め,また,左側の骨硬化像も長く,幅広くなっており,両側踵骨疲労骨折と診断した.なお,Tスコアは-4.25SDで骨粗鬆症が判明した.免荷・局所安静,骨粗鬆症に対する薬剤投与により,初診から2ヵ月後のX線像では両側とも骨硬化像が濃く,幅広になっていた.その1年後,骨硬化像の大部分,および歩行時痛は消失した.本症例にはスポーツや運動の習慣がみられず,また,両側変形性膝関節症および胸部脊柱管狭窄症があり下肢痛に対しプレドニゾロンを内服していたが,これらが発症の要因とは考えられなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2005