連載 スポーツドクターの現場
第9回
パラスポーツ
伊藤 倫之
1
1田辺記念病院リハビリテーション科
pp.896-900
発行日 2020年8月19日
Published Date 2020/8/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000361
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パラスポーツといっても,健常者のスポーツ同様に多数の競技が行われており,各競技によってスポーツドクターの役割は変わってくる。2021年に行われる予定の東京パラリンピックだけでも22種目のパラスポーツが行われ,各競技団体にスポーツドクターが所属している。オリンピック競技を中心に,健常者競技では各競技団体がかなり独立して活動しているが,パラリンピック競技の場合,日本障がい者スポーツ協会や日本パラリンピック委員会を中心に協力しているといった状況である。それは,パラスポーツが元来厚生労働省の管轄下であったことや,障害ごとの個別の団体から年数を経て統一されてきているという背景によるものと考えられる。特にパラスポーツでは,障がいをもっている人が参加するために医療の役割は大きく,大会前から大会後のメディカルサポートだけではなくそのほか多方向からのサポートも重要となる。さらに,視覚障がい者から身体障がい者(肢体不自由)に関しては,脳性麻痺や脊髄損傷,切断など,多岐にわたっての障害に対する知識が必要である。そのため,パラスポーツにおいてチームドクターを務めたり、大会に帯同したりするには,日本障がい者スポーツ協会公認の障がい者スポーツ医の資格が必要となってくる。
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