連載 私の整形外科診療のコツ
第9回
脛腓靱帯損傷-前下脛腓靱帯補強術におけるコツ-
寺本 篤史
1
1札幌医科大学医学部整形外科学講座
pp.901-904
発行日 2020年8月19日
Published Date 2020/8/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000362
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脛腓靱帯損傷は,主に前下脛腓靱帯(anterior inferior tibiofibular ligament;AITFL)に生じやすい。骨折を伴う場合は,骨折の観血的手術の際に靱帯損傷の程度と不安定性を評価して治療を行うが,骨折を伴わない場合はしばしば治療選択に苦慮する。保存治療では遷延治癒しやすく,疼痛や不安定感が長期にわたることがあるため,重度損傷の場合は手術が必要となる。近年は,suture-button固定が広まっているが,脛腓間の安定性が十分に得られないという報告もある。suture tapeによる前下脛腓靱帯補強術は脛腓間の生理的安定性を獲得し,良好な治療成績が期待される。
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