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特集 東京2020:整形外科医には何ができるか?
パラリンピックにおける整形外科医の役割
Role of orthopaedic surgeon in Paralympic Games
新井 祐志
1
,
伊藤 倫之
2
,
中川 周士
1
,
徳永 大作
3
,
三上 靖夫
4
Yuji ARAI
1
,
Tomoyuki ITO
2
,
Daisaku TOKUNAGA
3
,
Yasuo MIKAMI
4
1京都府立医科大学大学院医学研究科,スポーツ・障がい者スポーツ医学
2田辺記念病院,リハビリテーション科
3京都府立心身障害者福祉センター附属リハビリテーション病院,整形外科
4京都府立医科大学大学院医学研究科,リハビリテーション医学
キーワード:
Paralympic games
,
Para-sports
,
Orthopaedic surgeon
Keyword:
Paralympic games
,
Para-sports
,
Orthopaedic surgeon
pp.1229-1238
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001025
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要旨:第32回オリンピック競技大会(東京2020)・東京2020パラリンピック競技大会の開催に向けて,スポーツ・障がい者スポーツに対する注目がますます高まってきている。パラリンピックの特徴として障害に応じたクラス分けがあり,平等に競い合うため必要な制度として定められている。また,パラリンピックでは車いすを使用した座位での競技が多く,障がい者スポーツに特有の競技もある。パラリンピックのスポーツ外傷および障害は個々の持つ機能障害や競技特性に関係している。外傷および障害は部位別では上肢に多く,競技別では視覚障がい者を対象とする競技に多い。パラリンピックに関わる整形外科医はスポーツ医学に加えて障がい者特有の注意点および競技特性を理解しておく必要がある。座位競技では褥瘡を生じる危険性があり綿密な管理を要する。高位の脊髄損傷者では自律神経過反射による高血圧に注意しなければならないが,逆にこれを利用したブースティングは禁止事項にあたる。体温調節障害がある場合には健常者と異なり,異常な体温上昇に注意が必要である。障がい者スポーツにおける医科学的研究は十分に進んでいないため,障がい者スポーツ医学のさらなる発展が望まれる。
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