特集 脂質代謝異常と循環器疾患
識る 長鎖脂肪酸代謝異常と動脈硬化
中谷 和弘
1
1住友病院 循環器内科
キーワード:
Carnitine
,
脂肪酸
,
動脈硬化症
,
発生率
,
多酵素複合体
,
細胞内取込み
,
Long-Chain Acyl-CoA Dehydrogenase
,
脂質代謝障害
,
代謝ネットワークと経路
,
極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症
,
三頭酵素欠損症
,
血小板糖タンパク質IV欠損症
,
全身性カルニチン欠乏症
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Carnitine
,
Endocytosis
,
Fatty Acids
,
Multienzyme Complexes
,
Incidence
,
Acyl-CoA Dehydrogenase, Long-Chain
,
Lipid Metabolism Disorders
,
Metabolic Networks and Pathways
,
VLCAD Deficiency
,
Systemic Carnitine Deficiency
,
Platelet Glycoprotein IV Deficiency
pp.662-667
発行日 2018年7月9日
Published Date 2018/7/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018310386
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<Point>1 長鎖脂肪酸代謝異常を、細胞内への長鎖脂肪酸取り込み障害をきたす疾患と細胞内での長鎖脂肪酸利用障害を呈する疾患群に分けて概説する。2 長鎖脂肪酸のトランスポーターの1つであるCD36を欠損するCD36欠損症では、長鎖脂肪酸の細胞内への取込み障害を呈し、インスリン抵抗性を背景とし糖尿病、高血圧、脂質異常症の罹患率が高く、動脈硬化性心血管疾患、心筋症の発症頻度が高いとされている。3 細胞内での長鎖脂肪酸の利用障害を呈する疾患として、極長鎖アシル-CoA脱水素酵素欠損症、三頭酵素欠損症、カルニチントランスポーター異常症、カルニチンサイクル異常症、グルタル酸血症II型などが存在し、新生児期に急性脳症症状や乳幼児突然死症候群(SIDS)、横紋筋融解、心筋症、高アンモニア血症がみられる症例から、小児期あるいは成人以降に発症する症例まで臨床像は幅広い。動脈硬化性疾患との関連を示す報告はない。
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