発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005080087
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
46歳女.四肢の潰瘍を主訴とした.Raynaud現象陽性で,色素沈着,舌小体の短縮,手指末端の軽度皮膚硬化,四肢潰瘍を認め,抗核抗体2560倍,抗セントロメア抗体160倍と上昇を認め,強皮症の診断基準を満たし,CREST(calcinosis,Raynaud phenomenon,esophageal hypomotility,sclerodactyly,and telangiectasia)症候群が疑われた.食道の高度蠕動障害は認めたが,間質性肺炎,腎病変は認めなかった.四肢動脈造影では,左尺骨動脈は手根部で途絶し,右総腸骨動脈分岐部直下,左総腸骨動脈はそれぞれ限局的な狭窄を認め,四肢末梢では動脈の狭小化を認めた.両総腸骨動脈の狭小に対し,経皮経管的動脈形成術を施行した.術翌日,サーモグラフィーで指はそれぞれ約3℃の上昇を認め,足関節上肢血圧比は正常域まで改善した.強皮症で総腸骨動脈の血管病変を認める例の報告は他に1例あるにすぎず,血管形成術が有効であった報告は,本例が最初である
©Nankodo Co., Ltd., 2004