特集 Onco-Cardiologyの新展開
識る Onco-Cardiologyが目指すprecision medicineとは?
伊藤 薫
1
1理化学研究所統合生命医科学研究センター 循環器疾患研究チーム
キーワード:
意思決定
,
腫瘍
,
医療情報コンピュータ処理
,
人工知能
,
心臓血管疾患
,
ファクトデータベース
,
オーダーメイド医療
,
機械学習
Keyword:
Machine Learning
,
Artificial Intelligence
,
Cardiovascular Diseases
,
Decision Making
,
Neoplasms
,
Medical Informatics Computing
,
Databases, Factual
,
Precision Medicine
pp.137-141
発行日 2018年2月9日
Published Date 2018/2/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018122106
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Precision medicineは2015年に"Precision Medicine Initiative"としてオバマ大統領によって一気に全世界に知れ渡った概念であるが、現在では癌領域のクリニカルシークエンスなど臨床の現場にもその恩恵が届きつつある。Precision medicineは最先端テクノロジーを用いることによって個別化医療をさらに研ぎ澄ますものであり、詳細な病態の階層化に基づき患者個人レベルで最適な治療方法を分析・選択することを目的とするが、その実現のためには患者から得られたビッグデータをどのように処理・解釈するかという問題が常につきまとう。つまり個人の臨床情報に加えて遺伝情報や他のオミックステクノロジーによってもたらされる莫大な情報を基に患者個人をより精密に診断し最適な医療を行うためには、その'超'大量の情報が何を意味しているのかを理解し活用しなければならない。本稿では、precision medicineについて簡単に説明したあと、onco-cardiologyを遂行するにあたって、それはどのような役割を果たすことができるかについて述べてみたい。
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