特集 大動脈疾患を見直す
診る 画像で大動脈疾患をどうみるか CT/MRI画像診断
上田 達夫
1
,
林 宏光
,
斉藤 英正
,
岩田 琴美
,
汲田 伸一郎
1日本医科大学附属病院 放射線科
キーワード:
MRI
,
大動脈瘤
,
X線CT
,
動脈瘤-解離性
,
MRA
,
マルチスライスCT
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Magnetic Resonance Angiography
,
Multidetector Computed Tomography
pp.701-710
発行日 2017年7月9日
Published Date 2017/7/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017303045
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代表的な大動脈疾患である大動脈瘤や大動脈解離は,破裂や臓器虚血により生命の危険に陥る可能性のある重篤な疾患であるため,可及的速やかに適切な治療を行うことが求められ,そのためには迅速かつ正確な画像診断が必須である。CTは,比較的簡便で侵襲が低く,かつ短時間で広範囲の領域を客観的に評価でき,さらに緊急検査に対応可能であることから,急性期を含む大動脈疾患における画像診断において中心的な役割を果たしている。その目的はスクリーニングに始まり,血管解剖や破格の評価,瘤,解離,狭窄,閉塞などの診断やその程度に基づく治療適応・治療方針の決定,合併症の評価,治療後のフォローアップなど多岐にわたる。特に近年における多検出器列型CT(multi-detector-row computedtomography;MDCT)の進歩により,より短時間で高精細な画像が取得可能となったことで,その重要性はさらに増しており,大動脈疾患の診療において必要不可欠な検査となっている。一方,MRIは放射線被ばくがないことから,妊娠可能な女性や小児患者に対するフォローアップ画像の際には考慮されるが,検査時間が長く,救急対応が困難であることから急性期には一般的に適応とならない。しかし,高度腎機能障害例においても非造影MRAにより大動脈疾患の評価が可能である。本稿では,代表的な大動脈疾患である大動脈瘤と大動脈解離に対するCT画像診断を中心に,その役割と画像診断のポイントに関して解説する。
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