特集 循環器疾患を有する患者の妊娠・出産
識る 循環器疾患合併妊娠と妊産婦死亡
田中 博明
1
1三重大学 大学院医学系研究科産科婦人科
キーワード:
心筋疾患
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
妊娠合併症-心臓血管系
,
突然死-心臓
,
妊産婦死亡
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Cardiomyopathies
,
Pregnancy Complications, Cardiovascular
,
Death, Sudden, Cardiac
,
Maternal Death
pp.345-349
発行日 2017年4月9日
Published Date 2017/4/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017201285
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2010年より開始された妊産婦死亡登録事業によって,日本における妊産婦死亡事例の詳細が前向きに登録されるようになった。妊産婦死亡登録事業から得られた情報によって,さまざまなことが明らかとなった。妊産婦死亡は過去20年と比較して約半数に減少した。一方で,死亡原因別の妊産婦死亡率も妊産婦死亡数の減少と比例して減少しているが,循環器疾患に関連した妊産婦死亡は唯一増加している。その理由として2つのことが考察される。1つ目は,循環器疾患における内科的管理,外科的医療の進歩により循環器疾患を有する女性の妊娠が増加したこと,2つ目は,不妊治療の進歩によって,妊娠しにくい循環器疾患を有する女性が妊娠するようになったことである。今後,増加が予想される循環器疾患合併妊娠に対する管理を充実させていくことは,日本における妊産婦死亡を減少させるために喫緊の課題である。
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