特集 CT、MRIを上手に循環器診療で使いこなせ!
診る 心臓MRI 臨床において何を診るべきか?
高村 千智
1
,
寺島 正浩
1心臓画像クリニック飯田橋
キーワード:
MRI
,
心筋炎
,
心筋症-拡張型
,
心筋症-肥大性
,
心臓疾患
,
心筋虚血
,
不整脈原性右室異形成
,
アミロイドーシス-心臓
,
サルコイドーシス-心臓
Keyword:
Cardiomyopathy, Dilated
,
Cardiomyopathy, Hypertrophic
,
Heart Diseases
,
Myocarditis
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Myocardial Ischemia
,
Arrhythmogenic Right Ventricular Dysplasia
pp.238-245
発行日 2017年3月9日
Published Date 2017/3/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017164739
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循環器疾患の画像診断には心臓超音波検査や核医学検査,心臓カテーテル検査が広く用いられており,これらを組み合わせてスクリーニングから診断,治療後の評価を行ってきた。近年,これらに加えて心臓MRI検査(cardiac magneticresonance;CMR)が確立した画像診断ツールとして使用されるようになった。CMRには多くの特徴があるが,一度の検査で心室構造や壁運動など形態的評価,非造影MR angiography(MRA)による冠動脈の評価,造影CMRでの虚血評価および遅延造影(late gadolinium enhancement;LGE)による心筋性状の評価を行えることが大きな特徴である。放射線被ばくの影響がないため繰り返しの検査にも適しており,LGEについては診断のみならずリスク層別化や予後規定因子としても注目されている。本稿のテーマは"臨床において心臓MRIで何を診るべきか?"である。CMRの対象となる循環器疾患は,虚血・viability評価が必要な冠動脈疾患の症例,左室収縮能低下または左室肥大・菲薄化から心筋症を疑う症例,心筋炎を疑う症例など多岐にわたる。重要な点は,想定される疾患のCMR所見の特徴をとらえ,診断や治療評価として"何"をみるべきか,それはCMRの"どの"撮影法でみることができるのかを知ることである。本稿では基本的な撮影方法について述べるとともに,主だった循環器疾患における特徴的なCMR所見について解説する。
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