特集 CT、MRIを上手に循環器診療で使いこなせ!
診る CT-FFRの展望について
中里 良
1
1聖路加国際病院 心血管センター
キーワード:
冠血管造影
,
心筋虚血
,
多施設共同研究
,
CT血管造影
,
冠状動脈狭窄症
,
心筋血流予備量比
,
経皮的冠状動脈インターベンション
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Multicenter Studies as Topic
,
Coronary Angiography
,
Myocardial Ischemia
,
Coronary Stenosis
,
Fractional Flow Reserve, Myocardial
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.246-250
発行日 2017年3月9日
Published Date 2017/3/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017164740
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冠血流予備量比(fractional flow reserve;FFR)は,血圧由来の冠動脈狭窄の機能的な指標であり,FFRに基づく血行再建術による患者の転帰および費用対効果は,侵襲的血管造影に比べて優れていることが無作為化臨床試験で明らかにされている。現在,冠動脈CT血管造影(coronary CT angiography;CCTA)はルーチン的に日常の臨床診療で用いられている。CCTAは,高い陰性的中率により冠動脈狭窄の存在を非侵襲的に除外でき,また,侵襲的冠動脈造影の陰影像よりも多くの情報を得ることができる。しかし,CCTAから血行動態の情報を得ることはできない。CCTAで中等度(~高度狭窄)が疑われた場合には,非侵襲的方法として負荷心筋血流シンチグラフィ検査,あるいは侵襲的方法としてカテーテル検査を施行しFFRを測定し,治療方針を決定する必要がある。そこで,これまで侵襲的なカテーテル検査でしか得られなかったFFRが,CCTAの情報からFFRを予測する技術(CT-FFR)が開発された。安静時のCCTAの情報から,アデノシンを負荷した際に得られる最大充血をシミュレートし,スーパーコンピュータを使用することですべての冠動脈の部位でFFRを算出することが可能な技術である。
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