新時代の不整脈診療 突然死をいかにして防ぐか
心臓突然死の予知と予防に関するガイドライン
保坂 幸男
1
,
相澤 義房
1新潟大学 第一内科
キーワード:
運動負荷試験
,
心筋症-拡張型
,
心筋症-肥大性
,
心電図
,
植込み型除細動器
,
心筋虚血
,
突然死-心臓
,
不整脈原性右室異形成
,
心臓電気生理学的検査
Keyword:
Cardiomyopathy, Dilated
,
Cardiomyopathy, Hypertrophic
,
Exercise Test
,
Electrocardiography
,
Myocardial Ischemia
,
Death, Sudden, Cardiac
,
Defibrillators, Implantable
,
Arrhythmogenic Right Ventricular Dysplasia
,
Electrophysiologic Techniques, Cardiac
pp.424-430
発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008289946
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不整脈による心臓突然死では、致死的頻脈が重要である。心肺蘇生の普及や自動式体外除細動器(AED)の普及による心室細動からの蘇生例や持続性心室頻拍例において、再発による突然死に対する植込み型除細動器(ICD)の予防効果(二次予防)が実証され、信頼できる治療法として確立した。さらに、心臓突然死高危険群では、一次予防を目的としたICD植込みの有用性も確かなものになってきている。本邦のガイドラインには欧米を中心としたこのような成績がとり入れられているが、わが国におけるICDの一次予防の適応は欧米のそれと同一でよいかという大きな課題もある。また、ICD植込み後に一度も作動しないという事態も避ける必要がある。そのためには、致死的頻脈を発症する突然死高危険群をどのように予知するかという大きな課題をクリアする必要がある。ここでは心臓突然死をきたす疾患や病態とその予知、およびICDの適応について述べた。
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