連載
悪性リンパ腫の"appearances"(第6回) 腎・生殖器
赤松 展彦
1
1東京都立墨東病院 放射線科
キーワード:
MRI
,
子宮腫瘍
,
腎臓腫瘍
,
副腎腫瘍
,
卵巣腫瘍
,
リンパ腫-びまん性大細胞型B細胞性
,
腹部CT
Keyword:
Adrenal Gland Neoplasms
,
Kidney Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Ovarian Neoplasms
,
Uterine Neoplasms
,
Lymphoma, Large B-Cell, Diffuse
pp.742-746
発行日 2018年6月26日
Published Date 2018/6/26
DOI https://doi.org/10.18885/J01843.2018282839
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「腎悪性リンパ腫」解説
リンパ腫患者の剖検では,腎浸潤が34 ~ 62%の頻度で認められるとの報告があり,二次性も含めると腎悪性リンパ腫の発生頻度は低くはない。しかしながら生体のCTで検出される病変は1 ~ 8%に留まる。画像検査の感度の限界や,死後に行われる剖検は病勢がより進行した状態をみていることが影響していると推測される。リンパ腫の発生頻度が,剖検からの報告と,生体の画像検査からの報告とで大きく乖離するのはほかの臓器のリンパ腫についてもあてはまる。
「子宮悪性リンパ腫」解説
子宮体部ではDLBCLが最多で,ほかの節外DLBCL同様,既存の構造を保って進展する特徴がある。子宮体部が元の形態を保ったまま腫大し,zonal anatomyも温存される例がしばしば報告される。
「卵巣リンパ腫」解説
精巣リンパ腫がまれならずみられるのに対し,女性生殖器を侵すリンパ腫は頻度が低いが,そのなかでは卵巣が最多を占める。残る子宮頸部・体部・腟由来のリンパ腫については報告により発生頻度の順が異なる。
「副腎リンパ腫」解説
原発性の副腎リンパ腫はきわめてまれだが,二次性の副腎リンパ腫は剖検では25%,CTでも4%にみられるとの報告がある。二次性の副腎リンパ腫が無症状のことが多いのに対し,原発性は発熱・体重減少・盗汗のB症状が2/3の症例でみられる。
Copyright© 2018 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.