原著論文
境界型寛骨臼形成不全(borderline dysplasia)における関節適合性の評価
福島 健介
1
,
高平 尚伸
,
森谷 光俊
,
内山 勝文
,
高相 晶士
1北里大学 医学部整形外科学
キーワード:
X線診断
,
寛骨臼
,
関節鏡法
,
関節不安定症
,
股関節
,
分類
,
変形性股関節症
,
縫合法
,
患者重症度
,
関節唇
,
寛骨臼形成不全
Keyword:
Acetabulum
,
Arthroscopy
,
Classification
,
Joint Instability
,
Hip Joint
,
Radiography
,
Suture Techniques
,
Osteoarthritis, Hip
,
Patient Acuity
pp.677-681
発行日 2017年6月19日
Published Date 2017/6/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017261407
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
CE角20°以上30度未満の境界型寛骨臼形成不全(BD)において、関節唇損傷および変形性股関節症の病態を反映する関節適合性に着目した新たな分類(本分類)を考案した。股関節唇損傷の診断で股関節鏡視下手術を施行したBD症例37例(男7例、女30例、平均年齢41.6歳)を対象にYasunagaの分類と本分類で評価を行った。Yasunagaの分類ではGoodが21例で最も多く、本分類ではType Aが14例、Type Bが16例とほぼ同程度認め、いずれもCE角での頻度の差は認めなかった。Yasunagaの分類でGoodと判定された21例中6例が本分類ではType Cと判定され、Fairと判定された6例中5例が本分類ではType Aと判定された。関節唇縫合は15例(41%)に施行され、各分類で最も高頻度であった判定は、Yasunagaの分類はExcellent、本分類はType Cであった。関節唇縫合施行の有無をアウトカムとした場合、Yasunagaの分類と比較して、本分類はより病態を反映していると考えられた。
Copyright© 2017 MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.