特集 膝靱帯損傷-up to date-
予防・トレーニング 動作解析による受傷リスクとトレーニング効果の評価
諸岡 孝俊
1
,
吉矢 晋一
1兵庫医科大学 整形外科学教室
キーワード:
生体力学的現象
,
危険因子
,
体育とトレーニング
,
三次元イメージング
,
膝前十字靱帯損傷
,
跳躍
,
動作分析
Keyword:
Anterior Cruciate Ligament Injuries
,
Biomechanical Phenomena
,
Physical Education and Training
,
Risk Factors
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.255-262
発行日 2017年3月19日
Published Date 2017/3/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017145564
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はじめに
膝前十字靱帯(anterior cruciate ligament; ACL)損傷は,直接的な外力による接触型の損傷 と,着地動作や切り替えしなどのカッティング動 作による非接触型の損傷に分けられ,約70 〜 80%が非接触型の損傷であるとされている1),2)。 競技中のコンタクトプレーが要因というより も,大多数が非接触型の損傷であるならば,傷害 予防としての可能性があり,その損傷の危険因子 とメカニズムを検証し,理解することは,傷害予 防に繋がるものと考える3)。 スポーツ傷害予防であるが,4つのステップへ と段階を進む順序がある。 ①スポーツ傷害の発生率や重症度の程度を把握・認識。 ②スポーツ傷害の原因とメカニズムを解明すること。 ③損傷予防トレーニングの介入。 ④ 損傷予防トレーニングの効果を検証するため に,続いて①の段階に戻る4)。 以上の4つの傷害予防におけるステップのうち, ②にあたるACL損傷のメカニズムであるが,さま ざまな報告から,膝関節外反角度および外反モー メントの増加が重要な危険因子の1つであると示 唆されている。
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