特集 FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)の最新知見
FAIの診断 理学所見と画像診断
小林 直実
1
,
稲葉 裕
,
久保田 聡
,
齋藤 知行
1横浜市立大学 大学院医学研究科運動器病態学(整形外科)
キーワード:
X線診断
,
MRI
,
理学的検査
,
コンピュータシミュレーション
,
大腿寛骨臼インピンジメント
,
PET-CT検査
Keyword:
Positron Emission Tomography Computed Tomography
,
Computer Simulation
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Physical Examination
,
Radiography
,
Femoracetabular Impingement
pp.159-165
発行日 2017年2月19日
Published Date 2017/2/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017116354
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はじめに
大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement;FAI)の概念1)が次第に浸透するにつれ て,FAIをキーワードに含む論文数は増加の一途を たどる。しかしながら,それらの論文におけるFAI の定義,診断基準はさまざまであり,世界的なコン センサスの得られた診断基準は存在しないのが現状 である。そこで日本股関節学会は狭義のFAIの診断 指針を提唱しており(p.9 参照),理学所見や画像所 見,除外診断などについて明記されている。 FAIの正確な診断のためには詳細な病歴,ス ポーツ歴,疼痛の性状などを聴取したうえで種々 の理学的検査を行う。FAIを疑う場合には通常の 単純X線検査による股関節2方向撮像に加え,FAI に特徴的な骨形態の微妙な異常所見を念頭に置い た撮像法が必要となる。さらに詳細な画像診断と してCTによる三次元的な評価やMRIによる関節 唇などの軟部組織,軟骨損傷の評価などが行われ る。 本稿では狭義のFAIの診断指針に基づいた理学 所見と画像診断についての基本を述べるととも に,そのほかの補助診断の重要性と,新しい診断 技術の研究結果の知見も交えて論述する。
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