臨床室
サッカー選手に発生した内側groin pain症候群の3例
三谷 茂
1
,
宮澤 慎一
,
古松 毅之
,
阿部 信寛
1川崎医科大学 骨・関節整形外科
キーワード:
関節可動域
,
筋疾患
,
骨炎
,
MRI
,
スポーツ障害
,
鼠径部
,
大腿筋
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
疼痛
,
サッカー
,
運動選手
Keyword:
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Athletic Injuries
,
Groin
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Muscular Diseases
,
Pain
,
Osteitis
,
Soccer
,
Range of Motion, Articular
,
Athletes
pp.129-132
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015182335
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鼠径部内側の動作時痛が見られた3例について述べた。症例1は24歳男。MRI T2強調画像で左外閉鎖筋の部分に高信号域を認め、左外閉鎖筋損傷と診断した。圧痛や膨張、皮下出血は認めなかった。安静を支持した後、1週間後からのストレッチおよび可動域(ROM)訓練を行ったところ、2週間で痛みが軽快し外閉鎖筋の信号強度は正常化していた。その後股関節周囲のストレッチを心がけ、2年経過した現在も再発は認めなかった。症例2は23歳男。MRI T2強調画像で左恥骨筋の部分に高信号域を認め、左恥骨筋損傷と診断した。安静を支持し1週間後からのストレッチおよびROM訓練を行ったところ、3週間で痛みが軽快し、恥骨筋の信号強度は正常化していた。その後は、股関節周囲のストレッチを心がけ1年経過したが現在も再発は生じなかった。症例3は24歳男。MRIで右恥骨結節から恥骨結合にかけてT2強調画像で高信号域を認め恥骨結合炎と診断した。腫脹や皮下出血は認めなかった。ダッシュおよびボールを蹴るなどの動作を禁止し、ストレッチROM訓練のみ非ステロイド性抗炎症薬の投与を行った。3週間で痛みが軽快し、練習強度を戻すこととしたが、同部の違和感は持続したためMRIを再検査したところ、右恥骨結節から恥骨結合にかけての異常は継続していた。1年が経過し強い痛みはないが違和感は継続した。
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