特集 足の腱トラブル
アキレス腱付着部症の診断と治療
松井 智裕
1
,
熊井 司
1済生会奈良病院 整形外科
キーワード:
アキレス腱
,
滑液包炎
,
踵骨
,
腱付着部症
Keyword:
Enthesopathy
,
Achilles Tendon
,
Bursitis
,
Calcaneus
pp.44-51
発行日 2017年1月19日
Published Date 2017/1/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017100463
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はじめに
アキレス腱の障害は,踵骨付着部から2cmを境 界として,アキレス腱症(non-insertional achilles tendinopathy)とアキレス腱付着部症(insertional achilles tendinopathy)に分類される。 さらにVan Dijkら1)は,アキレス腱付着部に骨 棘を認めるものを狭義のアキレス腱付着部症と し,踵骨後部滑液包炎(retrocalcaneal bursitis)や 踵骨皮下滑液包炎(superficial calcaneal bursitis) と区別することを提唱している( 図1)。また Rufai2)や熊井ら3)も,狭義のアキレス腱付着部症 は,アキレス腱による牽引力が原因となるが,踵 骨後部滑液包炎では,足関節底背屈時にアキレス 腱と踵骨後上隆起の間で起こる圧迫力が原因とな り,2つの病態は異なるものであると報告してい る。 本稿では,アキレス腱付着部症として踵骨後部 滑液包炎と(狭義の)アキレス腱付着部症の診断と 治療について概説する。
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