特集 足の腱トラブル
アキレス腱症・アキレス腱周囲炎の診断と治療
高橋 謙二
1
,
土屋 明弘
,
細川 智也
1船橋整形外科病院 スポーツ医学・関節センター
キーワード:
アキレス腱
,
運動療法
,
局所解剖学
,
MRI
,
超音波診断
,
高エネルギー衝撃波
,
腱付着部症
Keyword:
Enthesopathy
,
Achilles Tendon
,
Anatomy, Regional
,
Exercise Therapy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Ultrasonography
,
High-Energy Shock Waves
pp.36-43
発行日 2017年1月19日
Published Date 2017/1/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017100462
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はじめに
アキレス腱の疼痛や腫張による機能障害をきた す疾患を,総じてアキレス腱痛症(achillodynia) とよび,これらは病変部位により非付着部アキレ ス腱症(non-insertional achilles tendinopathy), またはアキレス腱付着部症(insertional achilles tendinopathy)に分類される。さらに前者はアキ レス腱実質部の変性を主体としたアキレス腱症 (achilles tendinopathy)とアキレス腱周囲のパラ テノンの炎症を主体とするアキレス腱周囲炎 (achilles paratendinopathy)に分類される。 非付着部アキレス腱症は主にランニングやジャ ンプ競技のアスリートに起こるoveruse障害であ り,痛みによる競技能力の低下やアキレス腱断裂 の二次的損傷により競技不能に陥ることもある1)。 病態はいまだ明らかにされておらず,そのためさ まざまな治療法が報告されているが,各々の有効 性は実証されているとは言い難い。近年,体外衝 撃波治療や自己多血小板血漿療法(platelet rich plasma;PRP)などの新たな治療がわが国でも行 われるようになり,その有効性について期待され るところである。本稿では,アキレス腱症の病態 や診断と現状の治療の有効性について述べたい。
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