連載
私の整形外科診療のコツ(第3回)アキレス腱付着部症 アキレス腱付着部症に対する保存療法のコツ
篠原 靖司
1
,
熊井 司
1立命館大学 スポーツ健康科学部
キーワード:
Hyaluronic Acid
,
アキレス腱
,
運動療法
,
超音波診断
,
X線CT
,
病巣内投与
,
拡散MRI
,
腱付着部症
,
体外衝撃波療法
Keyword:
Enthesopathy
,
Extracorporeal Shockwave Therapy
,
Achilles Tendon
,
Exercise Therapy
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Ultrasonography
,
Injections, Intralesional
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
,
Hyaluronic Acid
pp.980-983
発行日 2019年9月19日
Published Date 2019/9/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2020007159
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病態
アキレス腱付着部症とは,アキレス腱の踵骨付着部から約2cmまでの部分に起 こる障害と定義されている。アキレス腱に生じる全障害中,約20 ~30%の発症率 とされ,アスリートなどスポーツ活動者だけでなく,中高年のオフィスワーカー や低活動者などにも発症が認められることから,overuseや加齢による組織の変 性が障害発生に大きく関係しているといわれている。そのほかにも,糖尿病など の基礎疾患,肥満,高強度トレーニング,不適切なシューズの使用,抗菌薬やス テロイド等の長期服薬など,さまざまな要因が複合的に関係している。さらに, アキレス腱付着部症は,牽引ストレスにより生じる狭義のアキレス腱付着部障害 と,圧迫ストレスにより生じる踵骨後部滑液包炎の2つの病態が存在する。実臨床 では併発していることも多いが,これらを混同せず区別して理解する必要がある。
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